生物の先生になりたいの!

迷走と突進を繰り返しながら楽しそうに生きる先生を目指す人

ピルの偏見を無くしたい

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こんにちは、かなみです!

 

男子禁制!みたいな話題ですが、数少ないであろう、これを見てくださった

男性にこそ読んでほしい記事を心がけて書きました。

 

少し前に緊急避妊薬の市販化をめぐり、世間が騒いでいましたね。

 

まだまだ性に関する問題などセンシティブなものになると意見すらうまく表現できない息苦しい世の中だなぁと感じました。

 

男女間でもとらえ方に大きな溝がありますね。これに関しては、また別の記事にしたためようと思います。

 

 

今回は低用量ピルに関するお話です。

 

 

・私の生理事情

もしや、月経困難症?

私自身、小6の時の初経から12年経ち、人生の半分を生理と共に生きていますが、ずっと生理不順で、いつ来るかピッタリ予測で来たことは一度もありません。

 

中学生の時には1年近く生理が止まったこともあり、それ以降も半年程度来ないのはざらにありました。

 

当時は、正直、「煩わしさから解放されてラッキー!」程度に考えていました。

 

幸い10代のころは生理痛は特になかったのですが、20歳を迎えたとたん、激しい生理痛持ちになりました。

 

一回の生理でロキソニン(鎮痛剤)は1箱すべて使い切るし、ロキソニンが効かずに寝込むこともしばしば。

 

ロキソニンが手元にない時に生理になったときはまさに地獄で、お腹を抱えて真っ青になり冷や汗だらだらでトイレにこもりきりでした。

ロキソニン、一類医薬品なのでなかなか手に入らないんですよね・・・(笑)

 

薬局をいくつか回っても置いていなかったり、目の前にあるのに薬剤師さん不在で買えなかったり。

 

生理痛からくる吐き気も強く、よく戻していました。

(トイレにたどり着けず、道端でゲーなんてことも…)

 

この吐き気は、子宮の収縮を促進するプロスタグランジンというホルモンのせいです。

 

これが、経血の排出を助けてくれるはずがこれは、胃腸にも効くので過剰に分泌されると吐き気につながります。

 

そのような状況でも、「体質だし、女性にはつきものだから、仕方ない

と思っていました。

 

同じように苦しんでいた友人が低用量ピルを飲みはじめ、「人生が変わった!」と教えてくれたのもちょうどその時期でした。

 

ただ、お金もかかるし、鎮痛剤で耐えられているし、もう少し大人になったら落ち着くはず…

なんて思い、その話は頭の片隅に置いておいていました。

正直偏見を受けるかもしれないという考えもありました。

ついに婦人科受診を決意する

そんな煮え切らない私に、婦人科受診を決意した事件が起こりました。

 

数か月前のロキソニンを持っていないある日、予期せぬ生理が訪れました。

 

昼過ぎに来て、痛かったものの何とか耐えられるレベル。「今日は早く帰ろう」なんて思いながら午後の授業を乗り切り、無事生徒も下校。

 

最後に残った仕事片付けて帰るだけ!なんて思っていたら緊張の糸が切れたのか、生徒が帰り安心したのか、まっすぐ歩けないほどの激痛と、吐き気

 

何とか職員用お手洗いにたどり着いたものの身動き取れず、20分ほど格闘していましたが、痛みで意識も遠のいていきました。

救急車を呼ぼうにも携帯がありませんでした。

 

気が付いたら汗だくで30~40分経過して意識回復。

 

不審に思った他の教員が個室のドアをノックして声をかけてくれて九死に一生を得ました。

 

この一件がトラウマになり婦人科受診を決意しました。

 

執筆現在低用量ピル3シート目(3か月目)です。

 

結論、本当に人生変わりました

 

 

・辛い生理の「治療」である

低用量ピルは、避妊のための薬というイメージが強いですが、辛い生理の改善の特効薬でもあります。

 

子宮内膜症の予防、PMS(月経前症候群)の改善、にきびには特に効果があります。

 

実際に悩んでいる方は婦人科のお医者さんとよく相談して自分に合った方法を選択するべきです。

 

私も生理が辛いと婦人科に行ったら5つくらいの治療方法を提案されました。

 

その中の一つが低用量ピルの服用でした。お医者さんと相談して、私の年齢やライフスタイル、現状、ライフプランから考えてピルの服用という選択肢になりました。

 

服用を始めて3か月が経過し、ようやく身体が慣れてきました。

 

当初は、むくみ、便秘、不正出血などいろいろありましたが、以前の生理痛やPMSに比べれば大したことはありませんでした。

 

経血は大幅に少なくなり、生理中の身体的負担はだいぶ軽減しました。

 

生々しいですが、以前はタンポンもすぐに一杯になり、ナプキンもすぐに交換しなければならず、お手洗い中もずっと経血が出ているような状態だったので、体感的には経血量が1/10になったように感じています。

 

そもそも低用量ピルとは

 

ざっくり、低用量ピルはそもそも卵胞ホルモン(エストロゲン黄体ホルモン(プロゲステロンが含まれた薬です。

 

これらのホルモンの濃度が高まって、排卵を抑制して妊娠中のような状態を作りだすため、服用中生理は止まる(服用しない期間に生理がくる)し避妊ができるという仕組みです。

 

他の効能としては子宮内膜癌・卵巣癌・結腸癌・大腸癌のリスクが下がるといわれています。

 

 

このうち、避妊効果の部分が強調されて世間の印象になっているので、偏見があるのかなと思います。

 

 

・将来妊娠しづらくなるの?副作用は?

いいことばかりの低用量ピルですが、巷には妊娠したいときにしづらくなるなんて、都市伝説も出回っているようです。

 

妊娠しづらくはならず、服用ストップして数か月後には排卵が再開して、正常に妊娠できます

それどころか、ひどい生理痛の人は、ピルなど飲まずに放置すると妊娠しづらくなるといわれました。

 

実際に一番言われている副作用は、血栓のリスクが上がる」ということです。

女性ホルモンは出産に備えて血液を固まりやすくする作用があるので、血栓ができやすくなります。血栓が脳などの細い血管に詰まってしまうのが一番怖いことですね。

 

喫煙者は特にそのリスクが上がるそうです。

 

しかし、確率はかなり低いのと、しっかり産婦人科で血液検査してクリアしないと処方してもらえないこと、定期的に検査することを考えて、私は、安全だと判断しました。

 

子宮頸癌のリスクが上がるともいわれますが、それはコンドームを付けずに性交渉する人が増えるためだそうです。

 

子宮頸癌はウイルス感染が原因ですので、コンドームをしっかりと着けることで、リスクを下げることができます。

 

他の性感染症の事を考えても、低用量ピルを服用しているからといって、コンドームを付けずに性交渉をするのは個人的に少し理解に苦しみます。

 

・コンドームをつけたくないと思われる?

先ほども書いたように、低用量ピルに避妊効果はあっても、性感染症予防はできません

 

なので、服用の有無にかかわらず、性交渉の際のコンドームは必要になります。

男性には一定数、「ピルを飲んでいればコンドームを付けなくてもいい」なんて思っている人が、いるようです。

 

それもピルについて話しづらい環境を作る原因の一つのように思います。

 

日本ではなぜか、 コンドーム=避妊のため というイメージが本当に強いです。

 

エイズをはじめとする性感染症予防と避妊という二大目的なはずなのに性感染症予防の面があまり強調されないように感じています。

 

パートナーが服用始めたとき男性の正解の反応はこれかな?

実際に私もピルの服用を始めたことをパートナーに言う前、もし言ったら「じゃあコンドームしなくていいね」と言われるかと思い、とても怖かったです。

 

が、返ってきた言葉は

「生理ずっと辛そうだったもんね。身体に合って楽になれるといいね。」でした。本当に救われました。

 

コンドームに関する話題は一切なく、当然のように以前と全く同じように使用しています。

 

すべての人がこういう認識になってくれるといいなと心底思いました。

 

私の生理事情でデートを何度もぶち壊してきて、ずっと罪悪感があったので、その言葉が聞けて本当に良かったと思いました。

 

 

・偏見ある?性教育どうなってんの?

 

やはり低用量ピルの避妊の効果が強調されて、「性に奔放」的なイメージが偏見につながっているですね。

 

ここでもやはり無知が人を傷つける事態が起こっていますね。

 

そもそも、避妊目的で飲んでいたとしても、望まない妊娠があったときに女性が最終的にはすべてを背負わないといけないし、逃げられないのだから、そうしたリスクから身を守って何が悪い、とも思います。

 

一方で、もっと、性感染症に重点を置いた性教育の展開はできないのでしょうか?(今はしているのかな?)

 

性感染症に自分がかからないようにコンドームを着ける。これが真実であり、一番当事者意識が持てるように思います。

 

しかも、生理が辛い(月経困難症)の人が低用量ピルを服用する場合は、保険適用にもなるので、そのことからも、れっきとした「治療」です。

 

治療を何で、コソコソしないといけないのだろうか、心底不思議です。

 

新型コロナを取り巻く差別問題にも通ずるところがありますね。

 

私は、低用量ピルを服用したことで、生理痛はなくなり、PMS月経前症候群)も軽くなり、人生が変わったと思っています。

 

以前は万年生理不順なこともあり、常に頭の片隅に生理がありましたが、今は本当にそのストレスからも解放されました。

 

いつ生理が来るかわかるだけでもだいぶ精神的に楽ですし、ピルのおかげで身体的負担も大幅に軽減しました。

 

月経困難症で苦しむ人を多く聞きますし、私自身当事者としても、生理に振り回されずに生きていける人が一人でも増えるといいなと思います。

 

 

これらはあくまで一個人の感想です。医療行為ですので、おすすめするつもりは一切ありません。月経困難症の治療法を5~6個提示してもらったもののうちの一つで、たまたま私には合っていたということです。月経困難症で辛い人はまず、婦人科へ行き相談してみることをお勧めします。

 

ただ、治療を妨害するような行為や、低用量ピルという選択を侮辱するような人が一人でも減ることを願っています。